認知症簡易
スクリーニング質問表

高齢者の増加とともに認知機能の低下を有する患者さんは増加していますが、包括的な神経心理検査の施行には熟練と施行のための十分な時間を要するため、医師や地域の介助者が用いる認知機能を評価するより簡易なスケールが求められています。

海外での既報告により同伴者に伴われての受診 (Attended With: AW) と振り返り徴候 (Head-Turning Sign: HTS) の存在が認知機能低下に対してそれぞれ高い感度、高い特異度を示すことが示されておりますが、慶應義塾大学病院メモリークリニックでは、これらの他に、患者さん本人に「日常生活で困っているか?(consciousness)」、「楽しみがあるか?(pleasure)」、「最近のニュースを挙げられるか?(current/recent news/topics)」の3つの質問を問いこれらを組み合わせることで高い感度、特異度でアルツハイマー型認知症や軽度認知機能障害を検出できることを示しました。

本研究により、同伴者がある場合のみならず同伴者のいない独居患者や入院患者においても簡便に認知機能低下のスクリーニングができるようになることが期待され、現在認知症診療の手の届いていない患者さんを医療につなげることになるものと考えています。